【読売新聞コラボ企画|新聞で「社会」を知ろう】
インタビュー:猪子寿之さん(チームラボ代表)

2018/02/14
インタビュー

君たちの時代 常識破れ …猪子寿之さん チームラボ代表

プロフィール

猪子寿之(いのこ・としゆき) 1977年、徳島市生まれ。東京大学工学部で計数工学を専攻し、大学卒業時の2001年にチームラボを設立した。プログラマー、数学者、ウェブデザイナーなどの専門知識を持つ約450人のメンバーを抱え、「集団的創造」を掲げて活動している。

(※就活ON!SPECIAL2017年8月号より。年齢や情報は掲載時のまま)

 僕の目の前にあるのは、こけが生えた巨大な岩。これに、地元の花々が咲いては散っていく1年間の様子を映し出しています。

 佐賀県武雄市の庭園「御船山(みふねやま)楽園」で開催中の「かみさまがすまう森のアート展」。夜間の幻想的な雰囲気の中で自然と人間がかかわってきた長い歩みを感じてほしいと企画しました。

 僕が代表を務めるチームラボは、デジタル技術を駆使したアート作品などを手がける会社です。

 インターネットが普及し始めた大学時代、僕はデジタルの分野で社会を変えたいと考えていました。一方で、すぐには社会に出たくない思いもあり、大学院への進学を決めていました。大学卒業間際になって「そろそろ行動に移そう」と気持ちを切り替え、同級生ら5人と起業したのです。

 アパートの一室で、企業のホームページの制作を請け負うことから始めました。お金もないし、どうやって稼いだらいいのかもわからない。ピンチの連続で、ほかのメンバーを巻き込むことに負い目を感じるときもありました。

 5年ほどたつと名前を知られるようになりました。周囲からは、会社の成長のために「売り上げや利益の目標を掲げた方がいい」などと言われましたが、無視しました。数字の目標より、常識を打ち破る新しいことを模索するのに夢中だったからです。

 チームラボが目指したのは、投影された映像などを見るだけでなく、鑑賞者と作品の境界がなくなり一つになれるデジタルアートです。日中にホームページ制作の請負業をやりながら、夜はデジタルアートの構想を練りました。仲間と議論しながら、面白いものを作り上げるのは最高に楽しかったですね。

 その後、2011年に現代美術家の村上隆さんに、台湾でデジタルアート展を開く機会をいただきました。地球温暖化で海面が上昇する様子を映像にした作品などを披露すると、海外を中心に評価されるようになり、国内でも認知されるようになりました。

 社会に出る学生には、年上の大人たちに合わせることをしてほしくないですね。やりたいことをやって本質的な高みを目指した方が絶対にいい。これからは自分たちの時代なんだから。(聞き手・佐藤寛之 写真・中司雅信)

猪子寿之さんメッセージ

MEMO:理念共有がカギに
 会社に就職せず、起業を考える学生もいるが、皆が生き残れるわけではない。2016年版の中小企業白書によると、起業後10年で約3割、20年で約5割の会社が撤退していた。
 経済産業省によると大学の研究成果を事業化するなどした「大学発ベンチャー」も16年度で1851社あるが、前年度からの1年で閉鎖した企業は169社に上る。ベンチャーに詳しい大和企業投資の平野清久取締役は、「何をもって成功とするか、理念などを共有した組織作りをできるかがカギになる」と指摘。「利益より、社会の課題解決などにかかわる企業が成長する例が多い。解決すると次の課題が生まれるので継続性も意識したい」と話している。

INFORMATION

 読売新聞は、仕事について考える学生に向けて「就活ON!」という紙面を毎週火曜日の朝刊に掲載しています。毎月第1火曜日に掲載する拡大版「就活ON!SPECIAL」は4ページのフリーペーパーとして、大学のキャリアセンターや大学生協など全国300か所以上で無料配布しています。就活ON!の予告は こちらから

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