【読売新聞コラボ企画|新聞で「社会」を知ろう】
インタビュー:亀石倫子さん(弁護士)

2018/05/16
インタビュー

遠回りしてもいい…亀石倫子 弁護士

プロフィール

亀石倫子(かめいし・みちこ) 1974年、北海道小樽市生まれ。97年、東京女子大卒業後、札幌市の情報通信会社に入社。2000年、同社を退社。05年、大阪市立大法科大学院入学。08年、司法試験合格。09年、大阪弁護士会に弁護士登録。

(※就活ON!SPECIAL2017年7月号より。年齢や情報は掲載時のまま)

 明確な目的がないまま、何となく就職をしてしまう。私もその一人でした。

 北海道で生まれ育ち、高校卒業後、東京女子大学の英米文学科に進学しました。東京のキャンパスライフにあこがれ、将来は英語を使う仕事に就きたいと漠然と思っていたからです。

 就職活動では当初、新聞記者を目指しましたが、全国紙の面接で「地を這(は)うような仕事、君にできるの?」と問われ、あっさりあきらめてしまいました。

 結局、内定を得ていた北海道の情報通信会社に就職しました。宣伝の部署でポケットベルなどをPRする仕事をしていましたが、入社直後から違和感があり、3年半たって結婚を機に退職しました。

 夫の勤め先がある大阪で暮らし始めたころ、書店で目に留まったのが司法試験のパンフレットです。当時は「次にやること」を模索し、手に職をつけて着付けやネイリスト、ウェブデザイナーなどの仕事に就くことを考えていました。

 それまで法律に関心はありませんでしたが、難関の司法試験に人生をかける価値があると直感しました。

 予備校に通い始め、刑事と民事の違いすら知らないところから勉強を始めました。そのころ、法学部出身以外の人や社会人にも門戸を開く法科大学院が2004年から開設されることを知りました。私は05年、法科大学院に入りました。

 すごく遠回りをしましたが、34歳で司法試験に合格して弁護士になりました。

 無罪を争う難しい仕事が舞い込むこともあります。しんどいですが、いつも「私なら乗り越えられる」と言い聞かせています。

 実は、大学時代の私は東京の生活になじめず、友達もできませんでした。公園で一人で本を読んだり、芝居を見たりしていました。司法試験の勉強を始めたときも、一人で不安な思いをしました。でも孤独と向き合ったことが、今の自分の強みになっています。

 社会人になると、経済的な自由を手に入れられます。そこで流されるのではなく、10年、20年後に自分がどうなっていたいかを考えれば、再び新しいことに挑戦することもできます。

 不本意なことにも我慢しながら生きていくのか、新しいことに挑戦するのか、真剣に考えるときが一度はあってもいいと思います。(聞き手・松本将統 写真・浜井孝幸)

亀石倫子さんメッセージ

MEMO:社会人から学び直せる
 キャリアアップや再就職に役立てようと、大学や大学院などで学び直せる環境作りが広がっている。

 文部科学省によると、社会人の入学者(正規課程)は2016年度に5万人いた。

 法科大学院や教職大学院など実務に照準を合わせた専門職大学院だけでなく、一部の科目だけを選んで履修し、単位を得られる「科目等履修生制度」で学ぶ人もいる。

 単位にはならないが、120時間以上の受講で履修証明書が得られる「履修証明プログラム」は、平日の夜や週末に授業が行われることが多く、社会人らも受講しやすい。履歴書や人事考課の自己申告書などに記入できる。同省によると、14年度には94大学が開設し、2836人に証明書を交付している。

GPS捜査の裁判で注目

 亀石さんは、主に刑事事件を中心に弁護士活動を続けている。今年3月には、裁判所の令状なしに全地球測位システム(GPS)を使った警察の捜査を最高裁が「違法」とした刑事裁判で、被告の主任弁護人を務めた。司法修習生時代の仲間ら6人で弁護団を結成し、徹底した調査とチーム力で経験の浅さをはね返し、注目を集めた。

最高裁判決を受け、被告の主任弁護人として記者会見した(今年3月)

INFORMATION

 読売新聞は、仕事について考える学生に向けて「就活ON!」という紙面を毎週火曜日の朝刊に掲載しています。毎月第1火曜日に掲載する拡大版「就活ON!SPECIAL」は4ページのフリーペーパーとして、大学のキャリアセンターや大学生協など全国300か所以上で無料配布しています。就活ON!の予告は こちらから

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