【読売新聞コラボ企画|新聞で「社会」を知ろう】
フロリダ大に留学したサニブラウンの遠大なプラン

2018/02/21
インタビュー

 ヨミウリ・オンライン(http://www.yomiuri.co.jp)の「深読みチャンネル」は、読売新聞のベテラン記者や各界の専門家が、日々のニュースや話題について深く掘り下げるコラムコーナー。今回は、スポーツが専門の太田朋男編集委員が、アメリカで“武者修行”するサニブラウン選手に密着した。

 2018年1月3日から始まった読売新聞の年間企画「平成時代」の連載1回目に登場したサニブラウン・ハキーム選手(18)は東京・城西高卒業後の2017年9月から、米フロリダ州北部の都市ゲインズビルにあるフロリダ大に留学し、全米でも強豪として知られる陸上部に籍を置く。
 昨年は、彼が大きく羽ばたいた一年だった。6月の日本陸上選手権で男子100メートル、200メートルの2冠に輝き、続く8月の世界選手権ロンドン大会では、100メートルで準決勝に進出し、200メートルでは決勝に進み、7位に入賞した。18歳5か月での決勝進出は、あのウサイン・ボルトの18歳11か月をしのぐ、大会最年少記録だった。2020年東京五輪に向けて、周囲の期待は高まるばかりだ。サニブラウン選手の「現在地」をリポートする。

(※本記事はヨミウリ・オンライン2018年1月5日号より。年齢や情報は掲載時のままです)

大学が勉強面もサポート

 私がゲインズビルを訪れたのは、昨年12月初旬。フロリダ州では北部と言えども、日中の気温は27度に達する。何より、日差しの強さは東京の真夏並みだ。シャツの袖をまくり上げていたところに、トレーニング用のTシャツ、短パン姿のサニブラウン選手が現れた。

 「こんなところまで、どうもありがとうございます。よろしくお願いします」。礼儀正しく、笑顔で挨拶(あいさつ)され、こちらも思わず笑顔になった。

 米国では9月から新学期が始まるため、8月下旬にゲインズビルにやってきた。大活躍だった世界選手権を終えた後、日本に戻らず、ロンドンから、そのまま米国に渡った。当初は引っ越しや慣れない暮らしの中で慌ただしい生活が続いたが、今は静かな環境で落ち着いた毎日を送っている。

 「早いときは午前6時半くらいに起きて、朝ご飯を食べて授業に出ます。その後、家庭教師のように学業面で手伝ってくれる人たちとのセッションが1時間程度あります。そこで、不安な教科や宿題のわからないところを聞きます。それから昼ご飯を食べ、基本的には午後2時くらいから練習です。月・水・金はウェートトレーニングがあり、終わりは午後5時という感じでしょうか」

 フロリダ大のスポーツチームはアリゲーターをもじった「ゲーターズ」と呼ばれ、陸上だけでなく、バスケットボールやアメリカンフットボールなどでも強豪として知られる。しかし、全米大学体育協会(NCAA)の規定で、学業成績不振者の試合出場は禁止されている。そのため、学生たちはきちんと授業に出席し、大学もスポーツ選手のサポートに力を入れている。

 「アメリカなど外国の大学に行ってみたらという親の勧めもありましたが、日本の短距離界で海外の大学に行っている人はほとんどおらず、新しいものに挑戦したいという気持ちがありました。好奇心ですね。ここ(フロリダ大)は勉強のサポートがすごく良かったので、選んだということになります」

 とはいえ、留学のために、相当な準備もしてきた。米国の大学入学のために必要な「SAT」と呼ばれる共通学力テストと、TOEFLを受験するため、高校時代から英語塾に通っていた。今では、言葉の面では、ほぼ問題がなくなった。米国での生活面で不満があるとすれば、コンビニがないことと、車の運転免許を取得していないため、行動範囲が学校周辺に限られることくらいか。

サニブラウン選手トレーニング

一流にもまれ、世界観が変わる

 フロリダ大陸上部を率いるマイク・ホロウェイ・ヘッドコーチ(HC)は1992年バルセロナ五輪100メートルの銅メダリスト、デニス・ミッチェル(米)らを育てた名伯楽だ。親しみやすい笑顔が印象的で、練習中も選手たちにこまめに声をかける。サニブラウン選手は、先輩、後輩の上下関係が色濃い日本の大学ではなく、米国の大学を選んだ理由の一つに、こうしたフランクな雰囲気を挙げる。

 「(ここは)上下関係があまりないのが、特徴的ですね。コーチとも和気藹々(あいあい)と話せるので、魅力的だと思いました」

 だが、フロリダ大陸上部は常に世界を意識している。男子の短距離を例にとっても、フロリダ大が所属する地域連盟「サウスイースタン・カンファレンス」(SEC)のテネシー大には、昨夏の世界選手権で銀メダルを獲得したクリスチャン・コールマン選手(米)が昨年まで、所属した。ベストタイムは9秒82。昨年の世界ランキング1位の記録だ。

 2012年ロンドン五輪、2016年リオデジャネイロ五輪の三段跳びを連覇した、フロリダ大OBのクリスチャン・テイラー選手(米)が言う。

※この続きは こちらのヨミウリ・オンラインでご覧ください。

マイク・ホロウェイHC

記者紹介:太田 朋男(おおた・ともお)
1988年入社。運動部で野球を中心にスポーツを担当。最も心に残るシーンはニューヨーク特派員時代の2001年ワールドシリーズ第4戦で、デレク・ジーターが放ったサヨナラ本塁打。巨人軍広報部長、西部本社運動部長などを経て昨年2月から編集委員を務める。

INFORMATION

 サニブラウン選手に限らず、多くの若者が海外で活躍していることを紹介した記事「平成時代 国の壁は消えた 海外恐れぬアスリート」が2018年1月3日付の読売新聞朝刊1面に掲載されました。ぜひ一度、図書館などで手にとって読んでみてください!

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